お菓子作りのレシピでよく見かけるスイートチョコレート。
買い出しに行っても売っていなかったり、値段が高くて買うのをためらうことがあると思います。
そんなときに知っていると便利な製菓用スイートチョコレートの代わりになるものをご紹介します。
スイートチョコレートとはどんなもの?
代用品を紹介する前に、そもそもスイートチョコレートはどんな特徴があるのかを押さえておきましょう。
特徴① 乳成分が含まれていない
スイートチョコレートの成分は、カカオ豆が原料のカカオマスとカカオバター、そして砂糖です。
この3つの成分のみからできており、乳成分は含まれていないため、カカオの風味がより強く感じられるという特徴があります。
おやつとして食べるようなチョコレートにはミルクなどの乳成分が含まれているので、その分食べやすく感じるかと思います。
しかし、スイートチョコレートをそのまま口に入れると乳成分のまろやかさがないため苦みを強めに感じるので、甘党の人にはあまり好かれない味かもしれません。
特徴② 甘さが控えめ
スイートチョコレートという名前からは少し想像しづらいかもしれませんが、甘さが抑えられていることも特徴の一つです。
使用されているカカオの分量を決められているため、甘さが控えめに作られているのです。
そのおかげで、お菓子作りで甘さの調整がしやすいというメリットがあります。
特徴③ カカオの分量が多い
チョコレートの原料として欠かせないカカオ。
このカカオ分がスイートチョコレートには50%前後から多いものだと90%近く含まれています。
そのため、おやつとして食べられているチョコレートのお菓子と比べるとかなり苦く、カカオの濃厚な味を感じることができるのも特徴の一つです。
特徴④ お菓子作りに向いている
スイートチョコレートの成分には余分な甘味料や脂質などは一切使われておらず、カカオ分と砂糖のみです。
このようにカカオバターなどのカカオ分が多く含まれていることから、チョコレートの本来の味を引き出した濃厚で本格的なチョコレート菓子を作ることができます。
口に入れたら溶けるようななめらかさを出すことにも、実は多く含まれたカカオ分が一役買っているのです。
また、カカオバターは固まりやすいという特徴を持っており、コーティングがしやすいこともお菓子作りに向いていると言えます。
製菓用スイートチョコレートの代わりになるもの
選ぶポイントを押さえたところで、代用できるものを具体的に紹介していきます。
使うときの注意点についても詳しく触れていくので、ぜひお菓子作りに役立ててください。
ビターチョコで製菓用スイートチョコレートの代用
ビターチョコの成分はスイートチョコレートと同じように、カカオマス、カカオバター、砂糖のみです。
乳成分が入っていないこととカカオマスの配分がとても多いことから、甘さ控えめで苦みが強いのが特徴です。
そのおかげで、カカオの濃い風味を感じることができることも特徴の一つです。
成分やこれらの特性が製菓用スイートチョコレートとほぼ同じであることから、代用品として非常に使いやすい材料といえます。
ただし、含まれているカカオ分が60%を超えるものもあるので、レシピの中でカカオ分を詳しく指定されている場合はその分量からかけ離れたものを選ばないように注意しましょう。
出来上がったときのチョコレートの濃厚さや甘みに違いが出てしまいます。
ミルクチョコで製菓用スイートチョコレートの代用
スーパーなど身近なお店で売っていることが多いミルクチョコレート。
手に入りやすく価格もお手頃なため、代用品として使えたらお財布にも優しいですよね。
そのまま食べてもとても美味しいですが、こちらも工夫さえすれば代用品として十分に活用できます。
ミルクチョコはそのまま食べても美味しく感じられるように、カカオ分が抑えられていて甘みが強いのが特徴です。
そのため、代わりに使うときの注意点は、お菓子作りの時に使用する砂糖などの糖分の分量を減らすことです。
そのように甘さの調節をすることで、甘さ控えめのチョコレート菓子を作ることができます。
また、カカオ分が抑えめでチョコレートの風味や香りを感じにくくなっているので、カカオの濃厚な味が決め手となるお菓子には向いていないかもしれません。
板チョコで製菓用スイートチョコレートの代用
値段も安価でおやつとしてもよく食べられている板チョコは、薄くてとても割れやすいのでお菓子作りのときに扱いやすいですよね。
手に入りやすいことから、製菓用スイートチョコレートの代わりとして使えるのかどうか調べる人も多いのではないでしょうか。
もちろん代用品として十分使うことができますが、注意するポイントがあります。
板チョコは、そのまま食べて美味しく感じられるようにカカオ以外の添加物や香料が含まれているため、分離しやすく固まりにくいというデメリットがあります。
そのため、チョコを溶かして固めるトリュフなどのお菓子作りには不向きです。
また、レシピ通りの砂糖の分量で作ると甘すぎる仕上がりになることにも注意が必要です。
もともと甘く作られている板チョコなので、砂糖の量を10g程度減らしてみましょう。
純ココアで製菓用スイートチョコレートの代用
粉末の純ココアは、溶かす必要がない上にカカオの風味が強い材料のため、簡単にチョコレート菓子に使うことができます。
砂糖などの甘味料が入っていないので、そのまま口に入れるとほろ苦い味が特徴的ですが、甘さを調整しやすいこととカカオの濃厚な風味を出せることから製菓用としてはもってこいです。
ただし、純ココアは固まりにくいという弱点があるので、固めて作るチョコレート菓子に使うのはおすすめしません。
ガトーショコラやチョコブラウニーなどの焼き菓子に使うと、失敗なく本格的な仕上がりになりますよ。
また、純ココアに牛乳やバター、砂糖など家にあるものを加えることによって代用することもできます。
こちらも固まりにくいという特徴があるので、適したお菓子に使いましょう。
キャロブで製菓用スイートチョコレートの代用
オートミールとデーツのパウンドケーキ!
— aya (@aya69_mucc) June 9, 2020
カカオの代わりにキャロブパウダー使ってチョコ風味にしてみた♡
キャロブは鉄分豊富だから助かる~ pic.twitter.com/z3zHTKOa7L
アレルギーなどでチョコレートが食べられない人にも安心しておすすめできるキャロブ。
カカオ不使用でイナゴ豆と呼ばれる豆が原料ですが、チョコレートによく似た味とほんのりとした甘みを感じられるため、代用品としてとても優秀です。
さらに、溶けやすく固まりやすい性質もあるのでお菓子作りに向いています。
パウダータイプやチップスタイプなど形状も様々で、お菓子のレシピによって使い分けできるメリットもあり、おすすめレシピはチョコチップクッキーやガトーショコラなどの焼き菓子です。
小さな子どもやアレルギーのある人もキャロブを使えば安心してチョコレート風味のお菓子を食べることができるので、ぜひお試しください。
製菓用スイートチョコレートの代用品のまとめ
製菓用スイートチョコレートがないときは、近くのスーパーなどで簡単に手に入るもので代用できることがお分かりいただけたと思います。
代用するときのポイントは、そのチョコレート本来の甘さによって砂糖などの糖分の分量を調節することと、それぞれの特徴によって作るお菓子を選ぶことです。
どの材料も工夫して使えば本格的なチョコレート菓子を簡単に作ることができる上に、代用品を使った方が好みの味に仕上がることもあります。
それぞれの材料の特性を活かし、美味しいチョコレート菓子作りにぜひ挑戦してください。