普段の日常生活で、出番はなかなか多くない麺棒。
料理やお菓子作りをあまりしない方にとっては馴染みのないものかもしれません。
今回はいざという時に「麺棒なんて家にないよ!」という方でも安心。麺棒の代用品を紹介します。
麺棒とは?いつ使う?
まず、そもそも麺棒とは何か。どんな時に使うのかをおさらいしておきます。
麺棒とは生地を伸ばすために使う棒のことで、うどんやそばなどの麵類や餃子の皮、ピザやパン、焼き菓子など様々な場面で使われます。
自宅でうどんを一から作る方や餃子を生地から作る方にとっては、当たり前のように使っているものかと思われます。
一般的によく見るのは木でできた棒ですが、プラスチック製やシリコン製、金属製などのものもあり、それぞれ特徴が異なります。
木製の麺棒は熱を通しにくいため、手の温度によって生地の適正温度を妨げづらく、頑丈で力も入れやすいため初心者でも扱いやすいという特徴があります。
100円ショップなどでも販売されている安価なものから、高級木材を使ったものまであり、素材にこだわっているそば職人などは、けやきや樫などそれぞれの木の特徴から自分好みのものを選んで使うほど、木の種類によっても特徴があります。
パン作りをされる方では、ガス抜き麺棒とよばれる表面に凹凸のついたプラスチック製の麺棒を使う方も多く、生地を伸ばしながら同時に空気も抜くことができます。
金属製の麺棒は、表面がツルツルしているため生地が張り付きにくく、手入れもしやすいといった特徴があります。
材質によって特徴が異なる麺棒ですが、形状も日本式と西洋式の2つがあります。
日本式麺棒
日本式は一般的によく見る、丸みを帯びた棒の形。シンプルな形状なので力の微調整がしやすいのが特徴です。
西洋式麺棒
西洋式は両端に取っ手のついた形のもので、回転させやすいため、均等に生地を伸ばせるのが特徴です。
また、麺棒は生地を伸ばすだけでなく、叩くという使用方法もあります。
例えばきゅうりのたたき。麺棒で叩いたきゅうりと味付けのタレを合わせた料理ですが、きゅうりを叩くことで身に傷がつき、そこからタレが染みこみ味がつきやすくなるのです。
同じような理由でお肉を調理する時も、焼く前のお肉を叩き繊維を断ち切ると、火の通りが均等になります。火の通りが均等になると、柔らかく美味しく調理することができます。
このように麺棒には主に「伸ばす」と「叩く」の使い方があり、様々な料理で使用するということが分かりました。
しかし…
クッキー生地つくって気づいたけどこの家麺棒なくない!?
— ゆきみや💉① (@Geschrei1018) October 1, 2021
料理したいけど家に麺棒がなくお困りの方もいるようです。
そんな「麺棒がない!」という時のための麺棒の代用品を「伸ばす」場合「叩く」場合の2つに分けていくつか紹介していきたいと思います。
100円ショップで買えるとはいっても、「普段あまり使わないから、代用でなんとかしたい」と思う方にもおすすめです。
麺棒の代わりになるもの 伸ばす編
まずは「伸ばす」場面で麺棒の代用になるものです。
① すりこぎで麺棒の代用
一見麺棒と見た目が似ていて違いが分からない方もいるかもしれません。
麺棒と同じような丸みを帯びた木製の棒ですので、代用にはぴったりでしょう。
しかしすりこぎは、すり鉢と共に用いてごまやとろろをする際などに使われる道具。用途が違うので形状も麺棒とは違います。
すりこぎの方が短く、持ち手の部分が若干細くなっています。
なので生地を均等に伸ばすのには、麺棒に比べると力加減の調節が若干大変ですが、伸ばすという場面でも叩くという場面でも麺棒の代用として活躍してくれます。
逆に、すりこぎの代用として麺棒を使うという考え方もできます。
すりこぎの先端はゴマなどをすりやすいように丸く膨らんでいますが、麺棒の先端部分も丸みを帯びているので麺棒をすりこぎの代用として使うこともできます。
となると、麺棒もしくはすりこぎ、どちらかがあれば便利ということになりますね。
② ラップやアルミホイルの芯で麺棒の代用
「麺棒がないのにすりこぎなんてあるわけないでしょ!」と思った方もいるかもしれません。
確かに、どちらも必ず一家にひとつはある、とは言い難いものですね。
でもここからは必ず一家にひとつはあるものを紹介していきます。
これはもう材質は違えど見た目、形状は麺棒そのものと言っても過言ではないでしょう、ラップやアルミホイルの芯です。
固さもあり、ある程度の力には耐えられるくらいの丈夫さもあるので、身近なものの中ではベストオブ麺棒の代用です。
しかし、ラップの芯を「もったいないから捨てずに取っておこう~」と思う方はなかなかいませんよね。
「あー麺棒がないなー」と思う時は大抵、まだラップが残っていることでしょう。
そんな時は、ラップが使い途中でも使ってしまいましょう。残ったラップのまま麺棒として使用しても、それ以降のラップとしての使用に支障をきたすことは何もないのです。もし汚れたら、表面の1週分だけを剥がせばいいだけです。
③ 瓶で麺棒の代用
こちらも身近なもので解決できてしまうものです。
ワインやビールなどのお酒の瓶。これはある程度長さがあって太さが均一であれば、十分麺棒の代用として使うことができます。
例えば、ビール瓶(500ml)の長さは約30cmなので、一般的な麺棒と同じくらいの長さになります。
瓶の方が太く、上部が細くなってしまっているので、転がす際には力の調節が難しいですが、重量も適度にあり麺棒の代用になってくれます。
④ マグカップで麺棒の代用
マグカップは見ての通り、麺棒の代わりにするには長さが足りません。
しかし、餃子の皮やクッキーなどひとつひとつが小さめな生地を伸ばす際には適しています。
取っ手のあるタイプのマグカップであれば、上から押さえつけるように伸ばし、取っ手のないものであれば転がして使用するという方法もとれますね。
餃子の皮を延ばす用の麺棒がないので、今回はマグカップを代用でやってみたけど、案外うまくいったな😁👍 pic.twitter.com/4WKda2xNi0
— Nobutin (@nobutin8) January 30, 2020
⑤ 手で麺棒の代用
もう何も道具に頼らない、という手段もあります。
麺棒がなくて手でパイ生地をのばす人々#テラケーキ2015 pic.twitter.com/khjsUIRt18
— なおこ (@jinno705) November 21, 2015
さすがにうどんなどの麺類は生地も大きく、厚さも均等にしなければならないので手を使って伸ばす方法では難しいですが、クッキーなどの生地が小さい場合や、ピザなどの厚さがある程度均等でなくても大丈夫なものなら、手でなんとかできてしまいます。
手をグーにし、指の付け根を使うように意識して生地を伸ばせば、ある程度はしっかり伸びます。
少し根気がいる作業ではありますが、「道具が何もない!」「厚さの均等は気にしない!」という方はこの方法を試してみてください。
麺棒の代わりになるもの 叩く編
続いて、「叩く」場面での麺棒の代用を紹介していきます。
⑥ 包丁の背や柄で麺棒の代用
料理中におそらく使っているであろう包丁を用いて、麺棒の代わりとすることもできます。
包丁の背の部分や柄の部分の固さを利用しましょう。
お肉などの面積が大きいものを叩く際は、背の部分を使えば全体を均等に叩くことができます。
きゅうりなど、少し硬い食材は、柄の部分を使い一点集中的に力を込めて叩くといいでしょう。
もちろん包丁なので、刃の部分で怪我をしないように気をつけなければいけません。
⑦ ドレッシングなどの瓶で麺棒の代用
こちらは、ワインやビールの瓶などの大きいものではなく、ドレッシングなどの手のひらで扱いやすいサイズの瓶がいいです。
片手で持ちやすく、ある程度の重さもあるので力を加えやすく、食材を叩く際の麺棒の代用として活躍できます。
冷蔵庫に入っているドレッシングを取り出し、活用してみてください。
空き瓶しかない場合は、水を入れて重くすると圧力が増すので、より麺棒で叩いた時と同じような効果を発揮できます。
⑧ 建材用の木材で麺棒の代用を作る
DIY好きの方やわざわざ麺棒を買いたくない方、ちょうどいい麺棒が売ってないという方は、自分で作ってしまうというのもひとつの方法です。
ホームセンターなどでは、建築材料用やDIY用の木材がたくさん売られています。その中には丸い木材もあるので、それを購入し自分好みの長さにカットすれば世界に一つだけの自分用の麵棒になります。
DIYのために別用途で購入した、丸い木材の余りがあればそれをそのまま使うこともできます。
ヤスリをかけて全体が滑らかになれば、きっと愛着もわくことでしょう。
麺棒がない時に代わりになるものまとめ
今回は麺棒の代用品を紹介してきました。
それぞれの料理の頻度、麺棒の使用頻度に合わせて、麺棒を購入するのか麺棒もしくはすりこぎを購入するのか、それとも代用品で十分なのか、判断していただけたらと思います。