煮物や汁物のレシピにときどき出てくる落し蓋ですが、どんな効果があるのか?普通の蓋ではダメなのか?など疑問に思っている人もいらっしゃると思います。また、いざ料理をする時に落とし蓋がない場合はどうしたら良いのでしょうか。今回は落し蓋の必要性と代わりになるものを見てみましょう。
落し蓋の必要性
少ない煮汁で食材に味を染み込ませる
落し蓋によって煮汁を対流させ、少ない煮汁で均一に食材に味を染み込ませることができ、安定した仕上がりになります。
煮物を調理するとき、食材に味が染み込むと同時にうま味が外に出ていってしまいます。うま味が逃げることを防ぐためにも、落し蓋をして少ない煮汁で煮ることが必要となってきます。
煮崩れを防止する
落し蓋が無いと食材同士がぶつかったり、食材をひっくり返したりすることで、煮崩れが起こります。落し蓋を使うことで食材同士ぶつかることを防ぎ、食材に触れる回数を最小限に抑え均一に火を通すことができます。特に魚の煮物は煮崩れが起こりやすいので、落し蓋は効果的です。
生臭さが減少する
魚や肉などの特有な生臭さがある食材を調理する際、鍋の蓋を使用すると鍋に匂いがこもってしまいます。そこで落し蓋を使用することで、蒸気と一緒に食材の生臭さを逃がしてくれる効果があります。
煮汁の蒸発を防止する
少ない煮汁で煮込むと隙間から蒸気が蒸発してしまいますが、落し蓋を使うことによって蒸発を抑えます。また、蒸発を抑えるとともに煮汁に浸っていない食材の乾燥を防ぐことができます。
時間短縮/節約効果
落し蓋と食材が密着することで、熱がこもりやすくなり保温効果が高まります。それによって、少しの時間だと温め直す必要もなく、ガス代・電気代節約にもなります。
また、煮込み料理の際に出るアク取りの時間も短縮できます。蓋と食材が密着しているので、あくが落し蓋に付きアクを取る手間も省くことができます。
落し蓋の必要性が分かったところで、次はいよいよ落し蓋の代用品を紹介していきます。
落とし蓋の代わりになるもの
キッチンペーパーで落し蓋の代用
キッチンペーパーはどこのご家庭にも恐らくあるのでは無いでしょうか?
しかも、使い方も簡単です。キッチンペーパーを2枚重ねて、適当に穴をあけます。穴をあけることによって、食材としっかり密着して味が染み込みやすくなります。シワをつける必要もなく、アク取りや余分な油なども吸ってくれる役割もあります。
また、使い捨てなので洗い物も減って時間短縮にも繋がります。
なので、キッチンペッパーはおすすめしたい代用品のひとつです。
ただし、キッチンペーパーの素材によっては、破れてしまったり、溶けてしまう恐れがあるので注意が必要です。使う際には不繊布タイプのものを選ぶことをオススメします。
アルミホイルで落し蓋の代用
アルミホイルもどこのご家庭にもあると思います。
アルミホイルも使い方は簡単です。
アルミホイルを落し蓋をする鍋のひと回り程大きくカットし、一度くしゃくしゃに丸めてから鍋の大きさに合わせて広げます。広げたら、数カ所穴を開けて空気の通り穴を作って蒸気を逃してあげると良いでしょう。
一度、シワをつけることによってアクがくっつきやすくなり、アク取りの手間も省けます。
また、キッチンペーパー同様に使い捨てなので洗い物を減らせることもできます。
ただし、アルミホイルは塩分や酸に弱いため、含まれている食材(塩、醤油、トマトソースなど)と長時間煮込むとアルミの成分が溶けてしまう場合があります。調理で使った後は、長時間放置せずすぐ取り出すようにしましょう。
クッキングシートで落し蓋の代用
お菓子作りや魚を焼く際に使うことがあるクッキングシートは、出番が少なく余ってしまっているご家庭も多いのでは無いでしょうか。クッキングシートでも代用可能です。
使い方は、鍋よりひと回り程小さくクッキングシートを切ります。切ったシートを四つに折り、さらに斜めに折り、折ったクッキングシートの中心と先端に切り込みを入れます。アルミホイル同様、穴を空けることで空気の通り穴ができ蒸気を逃すことができます、さらに、クッキングシートが浮き上がることも防ぐことができます。
ただし、キッチンペーパーやアルミホイルとは違って、アク取りの効果は無いので、アク取りは別で行いましょう。
お皿で落し蓋の代用
キッチンペーパーやアルミホイルが無い場合でも大丈夫です。
ご家庭にある、お皿でも代用品として使えます。
お皿を選ぶポイントとしては
- 鍋よりひと回り小さいサイズ
- 平たいお皿
- 耐熱性があるもの
この3点を意識してお皿を選んでみましょう。お皿を使うメリットとしては、ある程度の重さがあるので、食材が動きにくく食材に味がより染み込みます。また、食材の上に乗せるだけなのですぐに使えます。
ただし、重すぎるお皿を使うと食材が潰れてしまう場合があります。また、取っ手がないので取り出す際に火傷しないように、十分注意が必要です。
コーヒーフィルターで落し蓋の代用
コーヒーを自宅で淹れる方は常備してあるのでは無いでしょうか。そのコーヒーフィルターも落し蓋の代用品になります。
使い方は、フィルターのひっついている部分を広げて食材に乗せるだけです。鍋の大きさに合わせて枚数を調整するだけなので、とっても手軽に使うことができます。
キャベツで落し蓋の代用
なんと、キャベツも落し蓋の代用品になります。
いつもなら捨ててしまう外側の大きい葉を使います。大きめの葉を何枚か重ねて食材の上に敷き詰めるだけです。
魚を煮た。いつも落とし蓋代わりにキッチンペーパー使うんやけど残り少ないし…キャベツで代用してみた。キャベツって万能だね。魚よりキャベツがおいしかった(笑)
— ひがき (@higarika) June 13, 2011
落し蓋として使った後は、取り出して食べやすい大きさに切ればそのまま食べることもできます。
シリコン製のラップで落し蓋の代用
100円ショップで見かける、シリコンラップも落し蓋の代用品として使えます。耐熱性にも優れていて、繰り返し使えるのでとってもエコでオススメです。また、落し蓋より薄いので場所を取らないため、置き場所にも困りません。
シリコンラップを落し蓋に! pic.twitter.com/yTI9Ad2vAz
— Hiroshi TSUGE (@Hiyohiyo) September 14, 2014
購入の際は、耐熱温度やサイズをしっかり確認してから購入しましょう。
落し蓋の代わりにならないもの
サランラップ
サランラップは、熱に強く無いため鍋に直接触れると溶けてしまい、最悪の場合燃えて火事になる可能性があり危険です。また、サランラップは軽いので、食材をうまく抑えることができず、煮崩れする可能性もあり、あまりオススメできません。
ティッシュペーパー
テッシュも薄くて落し蓋の代わりとして使えそうと思う方もいるかもしれません。しかし、テッシュも燃えやすく危険です。また、耐水性が無いため落し蓋の代わりに使用した場合、出た煮汁に対応できず、ぼろぼろ食材の中に入ってしまう可能性があります。そのため、テッシュも代用品としてオススメできません。
まとめ
今回は落し蓋の必要性と代用品について紹介しました。
落し蓋には、少ない煮汁で煮込めて時間短縮、節約につながることや煮崩れ、煮汁の蒸発防止するなどの様々な効果があります。
落し蓋の代用品のオススメは【キッチンペーパー・アルミホイル・クッキングシート・お皿・コーヒーフィルター・キャベツ・シリコンラップ】の7種類あります。
代用品を使う際に注意すべきことは、キッチンペーパーを使う際は、溶けてしまうのを防ぐため、不繊布タイプを選びます。またアルミホイルも塩や酸によってアルミが溶け出したしまわない様に調理後すぐ取り出し、お皿は食材が潰れないよう平たく重すぎないもの選ぶことを意識しましょう。
代用品として使えないものは、溶けやすく燃えやすい【サランラップ・テッシュペーパー】があります。危険ですので、このふたつを代用品と使うのは避けたほうが良いでしょう。
落し蓋は食材をより美味しくする効果があることがわかりました。ご家庭に落し蓋がなくても、代用できるものがあるので、落し蓋を調理の際にぜひ使ってみて煮物料理を美味しく仕上げましょう。