無水エタノールというものはとても便利なものなのですが、実際に使ったことのある人は少ないのではないでしょうか。
ただ、名前は知っていても使ったことのないこの商品が家にあることはあまりないと思います。
身の回りの品で無水エタノールに代用できるものはないのでしょうか?ここでは無水エタノールの利用方法と代用品についてお話していきたいと思います。
そもそもエタノールとは?
はじめにエタノールにはおおまかに種類が2つあるのはご存知でしょうか。
無水エタノールと消毒用エタノールです。
エタノールの正式名称はエチルアルコールといい、この2つの簡単な違いはアルコール濃度の差になります。
このアルコール濃度の差によって用途が違いますので、注意が必要です。
- 無水エタノール
-
字のとおり無水(ほぼ水を含まない)純度の高いアルコールになります。その為、揮発性が高く殺菌する前に蒸発してしまうので、消毒には向きません。刺激が強い為、肌に着くと水分を奪ってしまいますので、直接触れることのないように注意が必要です。
- 消毒用エタノール
-
アルコール濃度を抑えてあるので、すぐに揮発せずに液として残るので殺菌・消毒などに使われています。
エレベーターのボタンや手すりなど人がよく触れる場所のの消毒に利用されています。
次にこの無水エタノールの主な用途をご案内します。
無水エタノールの用途
水拭きできない電化製品の清掃
通常電化製品は基本水拭きできません。ですが無水エタノールはアルコール濃度が高く揮発性が高いので、手垢が気になるパソコンのキーボード等のお手入れには大変効果を発揮します。
ただ、テレビ等の液晶画面はコーティングが剥がれてしまう恐れがあり、剥がれてしまったコーティングは元には戻らないので注意が必要です。
キッチンの油汚れの清掃
キッチンの油汚れの清掃にも役立ちます。スプレーボトルに入れて吹き付けたあとに拭き取るだけでしつこい油汚れもきれいになります。ただスプレーで使用する場合は水で薄めないとすぐ揮発してしまいます。
ちなみに油ではないのですが、シールをはがした後のベタベタをとるのも同じ方法できれいになるのでおすすめです。
こちらの場合は原液の方がアルコールが強い為効果も高いですが、コーティングしてあるものは注意が必要です。
アロマスプレー作り
お気に入りのオイルを使って自分だけのアロマスプレーを作ることができます。
夏場だと『はっか油』を使うと天然の虫よけスプレーができるのでおすすめします。
好きな香りでDIY!アロマスプレーを作ってみよう
基本のレシピ(50ml容器分、100ml作るときは倍の分量で)
お好みの精油 10滴
無水エタノール 10ml
精製水 40ml作り方
5分でできる!アロマスプレーの作り方 | アロマライフスタイル (aromalifestyle.tokyo)
[1] スプレー容器に無水エタノールを10ml入れる。(容器の1/5くらいを目安に。)
※無水エタノールは引火性があるため、火気の近くでの使用・保管は避けてください。
[2] 精油を10滴加え、容器を軽く振ってまぜる。
[3] 精製水を40ml加える。(白濁したり、エタノールと水が混ざり合う反応熱により、やや温かく感じることもありますが問題ありません。)
[4] 容器のふたをしめ、よく振って混ざったら完成。
無水エタノールの代わりになるもの
このように色々用途のある無水エタノールを使ってみたいと思いますよね。
ただ実際に無水エタノールがある家は少ないと思います。ではどのようなものだと代用できるのでしょうか?
消毒用エタノール
消毒用として無水エタノールを薄めてアルコール濃度をおさえたもの。主に殺菌・消毒として利用されています。
消毒用エタノールを使ったアロマスプレーの作り方
- 消毒用エタノール…10ml
- 精製水…40ml
- お好みのアロマオイル…10滴
- 遮光性スプレーボトル…1本
作り方
- スプレーボトルに消毒用エタノールを入れる
- アロマオイルを入れたらキャップを締めボトルを上下に20回程降り撹拌させる
- 精製水を注いで再度10回程降る
※精製水の代わりに水道水を使用することもできますが、消毒用の塩素等が含まれているためお肌の負担になることがあります。逆に肌に触れない(衣類・掃除の使用)のであれば、精製水でなくても良いと思います。
アルコール度数の高いお酒
- ホワイトリカー
- アルコール度数の高いウォッカなどの蒸留酒
なぜアルコール度数が高くないといけないのでしょうか?
アルコール度数が低いと殺菌や油分の洗浄効果が低くなるのもありますが、アロマスプレーを作る際にオイルと乳化させる作用も落ちるので、なるべくアルコール度数が高いものを利用しましょう。
ウォッカでもアロマスプレーは作れるの?
作れます。上記の消毒用エタノールでアロマスプレーの作り方の消毒用アルコールをウォッカに置き換えて下さい。 できればアルコール度数が高いもの40度以上がお勧めです
ホワイトリカーは?
ホワイトリカーは大体の商品がアルコール度数が35度くらいのものが多いようです。オイルが乳化しにくいかもしれませんが、検索するとホワイトリカーを利用したアロマスプレーも紹介されています。
パストリーゼ
アルコール濃度が77%ある殺菌効果の高いアルコール製剤
さとうきび由来で食べ物に直接吹き付けることもできるので、食べ物のカビや腐敗を抑えることができる
こちらもアロマスプレーに利用可能です。
ここで注意が必要なのは電化製品の清掃としてはこれらの代用品は使用できないということ。
何故なら無水エタノールはアルコール度数が99度以上ありすぐ揮発してしまうから電化製品の清掃に使えるのであって、
代用品ではアルコール度数が低くなるからです。
無水エタノールの代用品で電化製品に使えるものはないの?
電化製品に使える無水エタノールの代用品として以下の2品を紹介します。
パーツクリーナー
パーツクリーナーは自動車の油汚れや、脱脂を行う時に使われるものです。
パーツクリーナーは用途が広く商品も多様で、目的にあったものでないと代用品としての効果が望めなかったり、塗装が剥げてしまう、ゴムやプラスチックが劣化してしまうなどのトラブルもあります。
利用の際は必ず商品の説明を確認してから使用しましょう。
吹きかけるのではなく、拭くものに染み込ませて清掃すると、かかってはいけない部分に飛び散らずに済みます。
パソコンクリーナー
シートタイプやスプレータイプなどの種類があり、無水エタノールでは使えない液晶画面専用の商品もあるので、こちらも説明書きに注意して電化製品の清掃に利用できます。
エタノールの代用に使えそうで使えないもの
醸造酒
醸造酒とは・・・穀類や果実を酵母でアルコール発酵させて作ったお酒
- 日本酒
- ワイン
- ビール
これらのお酒は空気に触れることにより変化するからです。これらを使ってしまうと、掃除のつもりがベタベタしたり時間がたつと異臭の原因になるので、無水エタノールの代用品としては使用できません。
オキシドール
消毒用エタノールとオキシドールはどちらも消毒液ですが、この2つは成分や使い方が全然違います。
オキシドールは過酸化水素水という化学物質になります。
オキシドールは傷口の消毒に用いられ、実際殺菌というよりも傷口の洗浄の効果が高いです。ですので、傷口がない場合は消毒用エタノールと同じ効果をもとめることはできません。
エタノールの代用品を作る時の注意
- 火気厳禁
- 素手で触らない
これらはエタノールの使用でも同じことが言えますが、アルコール度数が高いものは揮発性が高く引火しやすいからです。
また、揮発性が高く乳化作用があることから皮膚につくと皮膚の油分を奪ってしまうので、使用の際にはゴム手袋などを使うなど直接触れないようにしましょう。
無水エタノールがない時の代わりまとめ
- 無水エタノールはいろいろな用途がある
- 消毒用エタノールやアルコール度数が高いお酒は代用できる
- 醸造酒やオキシドールは代用できない
- 電化製品の清掃にはパーツクリーナーやパソコンクリーナーが代用できる
- エタノールや代用品を扱う場合は火気厳禁で直接触らない
無水エタノールは便利ですが、なかなか家の中にはありません。
ですが、意外と身の回りのもので代用することができます。用途によって代用できるものも違ってきますが、一度試してみてはいかがでしょうか。