辛味と甘味を併せ持った粉唐辛子。日本でも人気の韓国料理には欠かせない調味料です。
ここでは粉唐辛子の使い道、ない時の代用品などとともに、唐辛子を使うことのメリット、注意点などを併せて紹介します。
粉唐辛子の使いみち
ある食品メーカーがwebアンケートで「おうちで韓国料理を作りますか?」と聞いたところ、つくる69.1%、つくらない30.9%(2021年5月現在)という結果でした。今や10軒中7軒のおうちで自宅で韓国料理を楽しんでいます。中でも人気だったのが、チヂミ、チャプチェ、ビビンバ、キムチチゲ、スンドゥブチゲ、キンパ、ナムル、トッポギなど。
どれも聞いたことのある料理ばかりだと思います。それほど人気の韓国料理に欠かせない粉唐辛子。見た目ほど辛くなく、甘味があるので子供から大人まで楽しめる料理に仕上げることができます。
ただ、粉唐辛子を常備している家庭は少ないかもしれません。いざ、韓国料理を作ってみよう、と思い立ったものの粉唐辛子が無い・・。そんな経験がある方や韓国料理に初めて挑戦しようという方へ、粉唐辛子の代わりに何が使えるか紹介していきます。
粉唐辛子の代わりになるもの
一味唐辛子で粉唐辛子を代用
一味唐辛子は乾燥させた唐辛子の実をすりつぶして粉末にしたもの。「一味」「一味とんがらし」ともいわれる日本ではおなじみの調味料です。原料や作り方としては粉唐辛子と全く同じです。
ただ一味唐辛子は粉唐辛子のような甘味は得られません。一味の辛さは粉唐辛子の4倍、使いすぎると辛さだけが突出した料理になってしまいます。
粉唐辛子が無い時は鷹の爪を代用
鷹の爪は唐辛子の代表的な品種。実は小さく、長さ5~6センチほどの紡錘形で、鷹の爪の形に似ていることからこの名があります。日本では代表的な香辛料で、乾燥させて、丸ごと、あるいは輪切りや粉末にして使います。鷹の爪を粉末にしたのが一味唐辛子ですので、基本的には粉唐辛子に近い使い方ができます。
唐辛子ペーストで粉唐辛子を代用
ペースト状の粉唐辛子は日本の料理にも幅広く使える万能な調味料、基本的な材料は粉唐辛子と塩、酢などです。
粉唐辛子の代わりにコチュジャンを使用
コチュジャンは甘辛い味が特徴。日本では唐辛子味噌と呼ばれることが多いです。ビビンバのほか鍋物、煮物、炒め物と幅広く代用できます。料理に使うだけでなく、肉や野菜に直接付けて食べたりできるので日常の食事に欠かせない調味料の一つとなっています。
粉唐辛子が無い時は豆板醤を代用
四川料理ではふんだんに使われる豆板醤。とても辛く、加熱すると香りが加わります。これは唐辛子が多く含まれている調味料だからです。
豆板醤はそらまめに
- 胡麻油
- 唐辛子味噌
- 胡麻味噌
- 香辛料
- 砂糖
などを加えて発酵させます。余談ですが、長く熟成され色が濃くなったものほど高級品とされています。
チリペッパー(レッドペッパー、カイエンペッパー)で粉唐辛子を代用
チリペッパーは赤唐辛子を乾燥させて粉末状にしたもの。レッドペッパーは焙煎した赤唐辛子を粗びきし、ハーブやスパイスをミックスしたものです。カイエンペッパーはチリペッパーの別名ともいわれていて、唐辛子100%のパウダーです。どれも一味や鷹の爪と同じように代用できますが、唐辛子とは辛さが違ってくるので調理中の味見が肝心です。
粉唐辛子の代わりにチリパウダーを使用
一見、チリペッパーとどう違うの?と思われるかもしれませんが、チリパウダーは唐辛子にニンニクの他、スパイスやハーブを加えた粉末状の調味料です。
スペイン料理などによく使われますが、辛味と同時に旨味とコクがあるので全体の風味が良くなり、より美味しく感じられます。ただ辛味は粉唐辛子よりもやや強めなので使う量に注意です。
粉唐辛子が無い時はタバスコを代用
タバスコは辛味調味料で、酸味があるので好みによってピザやパスタに振りかけます。メキシコ・タバスコ州原産のキダチトウガラシ品種のタバスコペッパーが主原料です。唐辛子に酢と塩が加わっていて酢の香りが際立っています。
日本でも大衆食堂に置かれるなど卓上調味料として活躍していますが、刺激的な辛さと酸味も併せ持っています。使用量を間違うと料理の味付けそのものを変えてしまうので注意が必要です。
粉唐辛子の代わりに生唐辛子を使用
乾燥させていない生唐辛子も韓国料理でよく使われます。旬は夏から秋にかけて。この時期に「生」で使ってみてはいかがでしょう。粉唐辛子とは違った、風味が豊かで、和らいだ辛さの料理が味わえます。
粉唐辛子が無い時は七味を代用
七味唐辛子は、唐辛子を主原料に山椒や麻の実、胡麻、けしの実などを足した日本独特の調味料。しばしば七味と略されます。よくそばなどの麺類に使われますが、一味よりも辛さが少ないので牛丼や湯豆腐、豚汁などの日本料理にも多く使われます。
粉唐辛子の代わりにラー油を使用
ラー油はごま油に唐辛子を加えたもので餃子のたれにスパイスとして使われることが多いですね。韓国料理との相性は抜群で、さらに中国の四川料理の調味料、薬味としても用いられていて、とても便利な調味料といえます。
パプリカパウダーで粉唐辛子を代用
パプリカパウダーは唐辛子の中でも辛味のない品種で、鮮やかな赤色ながらも風味は穏やかなので色付けに使いたいときに最適です。原料のパプリカは日本で野菜として流通しているパプリカとは異なります。子供でも食べられるほど辛味がなく、味への影響が少ないので色々な料理に使えます。
粉唐辛子の代わりにサンバルを使用
サンバルはサンバルソースともいわれるチリソースの一種。インドネシア料理などによく使われる辛味調味料で、市販のものには甘いものから辛いもの、さらにはシーフード味といったものまであります。
用途は広く色々な料理に使えますが、調味料やソースというより、日本のふりかけ、薬味に近いかもしれません。
粉唐辛子の代わりにかんずりを使用
かんずりは新潟県妙高市に伝わる伝統の発酵調味料です。
一地方の調味料なのでご存じない方も多いかもしれませんが、高級料亭や割烹などでも使われています。
地元産のかんずり用唐辛子に麹、柚子、食塩を原材料に作られ、爽やかなゆずの香りが特徴です。
和洋中、いずれの料理にも使うことができるので
- 夏は
スタミナ料理として、食欲増進に - 冬は
身体を温める効果が期待できます
羊名人を粉唐辛子の代わりに使用
羊名人は羊肉用につくられた特性の調味料ですが、豚や鶏の肉料理にも合わせることができます。唐辛子をベースにクミン、胡麻、岩塩、五香粉などで構成、開発されてからまだ5年ほどですので知名度は低いですが、一度トライしてみてはいかがでしょう。
粉唐辛子が無い時はハバネロペッパーを代用
ハバネロは唐辛子の一種で2000年になって日本での激辛ブームの火付け役になりました。猛烈な辛さが特徴ですが柑橘系のフルーティさもあるので鶏や牛などの肉料理に使うと食味が向上します。ただし、辛さが際立っているので小さな子供や辛味が苦手な方にはお勧めしません。
粉唐辛子の手作り方法
粉末唐辛子はもともとは形ある唐辛子からできたものです。ガーデニングが盛んな今、家庭で唐辛子を育てて粉唐辛子の手作りに挑戦してみてはいかがでしょう。
用意する材料は唐辛子のみ。
- 最初に唐辛子をしっかりと乾燥させます。
乾燥不足だとカビの原因になります。 - しっかりと乾燥させたら種を取り除き、ミルなどで粉砕します。
ミルはコーヒー豆を挽くときなどに使われる手動式の機械で、ハンドルをくるくると回すと唐辛子を粉末にできます。
ミル以外ではミキサーで粉砕する方法があります。
電動なので時間も労力もあまりかかかりませんが、ミルで挽いたものよりもやや粗めに仕上がります。 - 出来上がった粉末唐辛子は瓶詰にして湿気の少ない場所で保管しましょう。
お菓子などに付属しているシリカゲルを一緒に入れておくのも良いでしょう。
粉唐辛子を料理に使うメリット
韓国の女性はスレンダーで肌もきめ細かく綺麗なイメージがありますね。これは人気の女優さんやアイドルグループが日本メディアに多く露出しているせいもありますが、唐辛子にはダイエットをサポートする効果、美肌効果にアンチエイジング、血行促進といった効能があるといわれています。
もともと日本では漢方薬だった?
江戸時代の日本では漢方薬として使われていたという唐辛子。その原産地は南アメリカの熱帯地域、日本では縄文時代早期の紀元前7000~8000年頃には栽培されていたようです。
日本に伝わったのは、諸説ある中で1500年前後、戦国時代~安土桃山時代が有力。食用として使われだしたのは近代になってからで、最初の頃はあまりの辛さから毒扱いされたという説もあります。
代謝促進し、脂肪を分解します
唐辛子の辛味の成分となっているカプサイシン。代謝を促進して体を温める効果があり、体温を上げるのみならず、冷え性改善にもつながります。
カプサイシンを接種するとアドレナリンが分泌され。代謝がアップ、脂肪を分解しやすくなり、ダイエットにつながるという期待がもてるのです。
摂り過ぎるとデメリットもあるので注意!
ただ、摂り過ぎには注意です。これは唐辛子に限らず、すべての食べ物に共通して言えることですね。
辛味成分のカプサイシンは、過剰に摂取すると身体に良くありません。
口や胃腸の粘膜を痛めて下痢や味覚障害を起こしてします。
適度な食事で美味しいを実感しましょう
激辛料理が好きな方、健康に注意したい方も食べるとき、食べるものの過剰摂取は要注意です。美肌効果、血行促進、食欲増進といったメリットとは表裏一体、あくまでも”美味しかった食事”で終わらせましょう。
粉唐辛子がない時の代わりになるものまとめ
- 粉唐辛子は辛味よりも甘味が強く、色や見た目ほど辛くはありません。
辛い料理が苦手なひとや子供でも粉唐辛子を使った料理を美味しく、楽しく食べることができます。 - そんな粉唐辛子の代用品としては、唐辛子を原料にしたものがふさわしいでしょう。
日本固有の一味、七味、鷹の爪は辛さが引き立ち甘味がないので使い方に注意が必要です。 - 家庭菜園で唐辛子を育てて粉唐辛子を家庭で作ってみてはいかがでしょう。
美肌効果、血行促進、食欲増進を図る効果を自らの手で実現できる楽しみが広がります。